何か違和感を感じる……

なんだ？どこから？

世界？

私の作ったこの夢の世界から違和感を感じる…

違う！

この世界の外からだ！
夢の世界の外に何かの存在を感じる。

いや、待て、おかしい。

外の世界とはどこだ？

現実？

いや、この感じは現実の空間ということでは断じてない。

ではこれはなんだ？

明らかに世界が包まれている。
世界が外側から囲まれている。

だが夢に外があるとすれば現実の物理的空間しか考えられない。

それとも深層意識か自由意志かだと言うのか？

それも無い。この夢の世界は私が作ったものだ。
それに触媒にした人間は夢守らしき力はあったが意識は眠っているはず。
記憶はあるが人格も自由意志も私の力で抑え込んでいる。
この人間の自由意志はまだ抑えたままだ。

だから、この存在は明らかに「第三者」の意思によるものだ。

だとすれば麗夢か？
夢の外へ脱出し、この世界ごと私を潰そうというのか？
やつにそんな力が？



世界が侵食されている！

少しずつだが確実に、私の創った夢の世界が小さくなっていく。

このままじゃ私まで潰されかねない。

しかたない、一旦、現実世界へ移り、麗夢たちの様子を再度調査し、再戦を挑むとしよう。

いまいましい。麗夢にこんな力があったとは。



だがかすかに感じる力は麗夢のものとは違うもののように感じるが？



ダルクはこの世界から抜け出ようとした。

この夢の世界はある夢守の意識を乗っ取り、自由意志や深層心理を抑え込み、
夢を創りだす機能のみ発現できるように記憶だけ残しておいたものである。

そこに自分の力を注ぎ込み、自分が自由にできる世界を創り上げたのだ。

この世界から抜け出る方法は２つ。

現実世界の実体の覚醒。
別の人間の夢にいたときは記憶や体験を本体にフィードバックし、リンクを切断する。
夢の中の自分は分身のようなものであり,操り人形のようでもある。
夢の中での出来事は逐一本体の記憶へコピー＝フィードバックされている。
現実の体と夢の中の体とのつながり＝リンクを切断すると、起きたときには意識は現実の体とつながっている。
ただし強いイメージは本体にも影響を及ぼす。あくまでも精神は本体に在るままなのだ。

意識を現実世界に具現化する。