地下室の調べ

　洋館の地下室は薄暗くジメジメとしていた。高いハイヒールが階段を下りていくごとに
甲高い靴音が反響した。赤いレンガの壁はあちこちひび割れ、地下水が雫となって
落ちる音が響いた。階段を折り終わると、赤い絨毯が敷き詰められた部屋についた。
周囲の壁には蝋燭が灯り、炎が真っ赤な世界を照らし出していた。地下室の一番奥まった
ところに木製の磔台があった。高さ1.5メートル、幅1.2メートルの頑丈な磔台は
いたるところに滲みや傷があり、長い年月の間に多量の破瓜の血と愛液を吸い込んで
きたことであろう。今、そこには一人の少女が縛り付けられていた。両手足は
大の字に固定され、まるで展翔台の上の美しい蝶のようであった。まだ幼い顔には
目隠しがされ、緑の黒髪は腰まで伸び艶やかであった。胸は未発達で小さなピンク色の
突起が呼吸とともに上下していた。下腹部はゆるやかに膨らんでおり、何も生えてない
股間部へとつながっていた。両足が広げられているため、他人には絶対見せない秘所が
丸見えとなっていた。ピンク色に染まった秘部の真ん中に、淫唇が赤い秘肉を
さらけ出していた。未開発の淫列は、ピッタリと口を閉ざし、侵入を拒んでいた。

　「誰！？」

　少女は上ずった声を上げた。自分に降りかかる恐怖を懸命に耐えているようであった。
縛り付けられた少女の前に立った人物は、妖しい笑みを浮かべると、少女の首筋から
胸、腰から股間へと手を這わしていった。黒皮の手袋の感覚が少女の恐怖心と快楽を
煽った。

　「イ、イヤァ・・・やめて！」

　少女は頭を振って拒絶した。緑の黒髪が美しく流れ動いていく。ボンテージを纏った
女性は、少女の反応を楽しみつつ、愛撫し続けた。

　「そろそろお肉が柔らかくなったかしら？」

　女性は少女の目隠しを外した。少女は青い瞳を恐る恐る見開いた。

　「か、かおる！！」

　かおるは笑みを浮かべた。瞳が赤く染まり少女を射抜いた。少女の視界一杯に
赤い光りが広がり、徐々に思考力を奪っていった。

　「ご挨拶は？麗夢。」

　かおるは命令口調で言った。口元は笑みを絶やさなかったが、目は冷たい光りが
灯っていた。麗夢の脳裏に奴隷夢の掟がよぎった。それまで知性的な深い青色をした
瞳は濁った色になり、表情は悦びに打ち震えた。

　「かおる・・・お姉さま・・・私の・・・淫らな肉体を・・・虐めて・・・下さい。」

　麗夢の肌は薄紅色に染まり、フェロモンが漂いだした。自分にこれから起こることを
考えただけで、股間部からは愛液が滲み出した。

　「イイ子ね麗夢。早速始めましょう。」

　かおるは壁に掛かっている様々な調教道具から、バラ鞭を取り上げた。さらに薬品棚
からいくつか小瓶を取り出すと、ビーカーに中の液体や粉末を開けかき混ぜた。

　「今日は、この薬を使ってみましょう。あなたをさらに優秀な性奴隷にしてくれるわ。」

　かおるは出来たピンク色の液体にバラ鞭を浸すと、軽く振って感触を確かめた。

　「準備はイイ？」
　「は、はい・・・かおるお姉さま・・・」

　麗夢は目をつぶり、四肢を硬直させた。それほど痛くない事は分かっていたが、
どうしても反射的に構えてしまう。その態度がかえっていじらしさを見せた。
　かおるは麗夢の前に立つと、バラ鞭を振り下ろした。

　「あうっ！」

　空気を切る音と小さな打撃音の後に、麗夢の悲鳴が続く。しかし音の割に痛みは
感じなかった。バラ鞭は空中でばらけ広範囲に当たるが、柔らかい材質なので
衝撃は拡散し痛みよりも快感を与えるのである。バラ鞭が麗夢の胸や下腹部に
当たるたび、汗と媚薬が飛び散った。媚薬はすぐに気化し、甘酸っぱい香りが
周囲に漂った。鼻孔から入ってくる香りに、麗夢の身体は興奮した。肌に付いた
媚薬はバラ鞭で叩かれるたびに体の中に浸透し、麗夢の身体は火照った。
　体中の性感神経が活発に活動し、打たれたところから全身へと快楽の波が
広がっていった。悲鳴は次第に艶を帯び、悦びの声に変わっていった。

　「そんなに気持ちイイ？」
　「アンッ♪も、もっと・・・お願い・・・します・・・」

　かおるの問いかけに、麗夢は潤んだ目を開けて懇願した。
　かおるはバラ鞭を麗夢の股間部にめがけ、下から上へと振り上げた。
バラ鞭の先端は、麗夢の股間部に小さく顔を出している淫列をなぞるように走った。
淫列に滲んでいた愛液が、飛沫となって飛び散った。その瞬間、大きな快楽の波が
下腹部から脊椎を通って頭の先まで走った。

　「はうううぅぅぅン！！」

　嬌声を上げ、快楽にのたうつ麗夢を見ながら、かおるは満足げな笑みを浮かべた。
再びバラ鞭が振り下ろされ、打撃音と歓喜の悲鳴が地下室に木霊する。調教はまだ
始まったばかりであった。